初めて買ったヘルメット

 焼酎飲みながらインターネットに1980年夏に初めて自腹で買ったヘルメットの名前を入れたら、出てきた。アライのTX1-DX。当時見た映画マッドマックスの影響で色は銀色。ホントはベルスターが欲しかったが、近所じゃ当然扱ってなくて(BELLステッカーとかリアフェンダーに付けるBELLのマークの入った白いマッドフラップは町の3件の中の1件のバイク屋さんで売ってた)通販も勇気が無くておまけに値段高くてとても買えない。デフロストシステムが付いてて、このシステムはクソ寒い北海道の朝の新聞配達にも非常に有効だった。シールドは傷が付きづらく頑丈と宣伝してたスワンのペトロイドシールドに付け替えた。1000円くらいだった。
 これはとても気に入ったいいヘルメットだったが、就職して頭のデケエ友人に貸したら、内装圧縮され切ってスカスカになって帰ってきた。釣鐘被ってるようだった。
 
           http://www.arai.co.jp/jpn/arainews/images/an_8012.pdf  
 
 TX-1DXを買った1ヶ月後、8月に更にバイト代はたいてやはりアライの白いS-75も買った。内装の天辺は学生帽みたいなひし形のマークが縫ってあった。コレは白色だったが、やはりマッドマックスの影響で、つば付きスモークシールドを付けた。銀バイ隊員が着けてた奴。あれはスモークじゃなかったけど。外国製で4000円だった。ちょっと使ってると、シールドのカシメが緩くて上に上げても直ぐ下がってしまうようになった。兄貴が世話になってた60km離れた所にある小さな町の小さなバイク屋さんにあった。当時マッドマックスに影響されまくった自分には、アレと同じものが手に入る!と、同時にあの町にあのシールドあるのか?売ってるのか?!と、物凄く嬉しさと以外な思いとでいっぱいだった。それらをカブって家のタンスに眠ってたおじいさんが着てた1950年代の、エリに「スプートニク」とローマ字で書いてある古い革ジャン着て兄から借りたクシタニのMXブーツ履いて1971年型ホンダCB50(このバイクは度重なる転倒でフートレストが付いているクランクケースが割れてオイル漏れして乗れなくなってしまった。寒くなってキャブの調子も合わなくなってしまってた。今なら・・・)と1980年型スズキハスラー50乗ってマッドマックス気分で北海道の冬の瞬きすると凍りつくクッソ寒い朝の新聞配達してた。当然夕方は夕刊も。早朝の轍だらけのアイスバーン国道で出せたハスラー50の最高速は60kmだった。ある時対向車の最初の型の緑色したカローラレビンが凍った路面の緩いカーブをきれいなカウンターでそのまま曲がって行ったのが印象的だった。